ヴァンパイアヒューマン−桜−
『行きましょうって…でも相手は…』
ハートは二人を止めようとした。
『ハート、相手が誰かなんてわかってる。でも、相手がどうのこうのじゃなくて…俺達が今すべき事は俺達の気持ちが知ってる。無謀なのはわかってる…でも…それでも仲間のために俺は…。世界一の一大勢力が何だよ!?俺達は盗賊なんかより、もっと強力なヴァンパイアに立ち向かおうとしてるんだ…ヴィルグロースを倒し、ジャックを連れてグラバドールに帰るんだ。だからこんなとこで負けたりなんかしないさ』
ラッセルは力強く告げた。
『無謀だけど、それでもあたしはトライバスタン城に乗り込むわ』
ミーナはそう言って、遠くに霞むトライバスタン城を見つめた。