ヴァンパイアヒューマン−桜−
『ミーナ様こそご無事で何よりです』
ラッセルはそう言って片膝を地面につき、ミーナに軽く敬礼した。
『ミーナ様、王様は?』
ハートは気になる事を尋ねた。
『王は…あたしの父のグラバは死にました。そして、バロンもあたしを守るために…』
ミーナは涙を堪えて状況伝えた。
『王が…』
ラッセルは唖然とした。
『バロンまで…』
ハートは涙ぐんだ。
『ラッセル、ハート。泣いている暇なんてありません。一刻も早くこの国を再建しましょう。それが父の…王の願いですから…。生き残っている国民を全員、王宮の広場に集めてください』
ミーナは覚悟を決めたように、凛々しい表情をみせた。