ヴァンパイアヒューマン−桜−
『少年と少女は大人に近づくにつれ、いつしか自分達の心に芽生えた小さな芽が恋だと気付きました。二人はお互いを大切に思い、日がたつにつれ、二人の心に芽生えた芽が恋の蕾になり、いつの間にか愛と言う名の花が咲いていました。ヒューマンとヴァンパイアの住む世界の違う者どうしの禁断の愛がそこに生まれてしまったのです』
ハクじぃのその話を、ハートとラッセルは何かを考えるかのように聞いていた。
『二人だけの居場所で過ごすその時間が、二人にとっては何よりも幸せな時間でした。しかし、幸せな時間ほど長く続かないものだったのです。ヒューマンである彼はヴァンパイアである彼女を一生守り続けていく覚悟をしていましたが、ヴァンパイアである彼女はヒューマンである彼の“幸せ”を1番に考えていたのです』
ハクじぃが話していると、クロードが奥の部屋からスープを持ってきた。