ヴァンパイアヒューマン−桜−
クロードは話の邪魔にならないように、静かにテーブルにスープを置いた。
『ヴァンパイアである彼女はヒューマンである彼の幸せを考え、自分から身を引いたのです。しかしその時の別れなど、“一瞬”の別れでした。ヒューマンである彼はヴァンパイアである彼女をおびき寄せるオトリとして、野盗に捕まってしまったのです。ヒューマンである彼を愛していたが故に、ヴァンパイアである彼女は彼を助けに行ってしまいました。その事がきっかけで、ヴァンパイアである彼女は永遠に帰らぬモノとなりました。そう、二人にとっての“永遠”の別れとなってしまったのです…』
ハクじぃの話を聞いているミーナは、唇を噛み締めた。