ヴァンパイアヒューマン−桜−


『ワシにはウィルを救ってやる事が出来なかった…ウィルの苦しみをワシには理解してやる事が出来なかった…もう今更こんなことを言っても手遅れなのですが…』


ハクじぃはそう言って自分を責めた。


『ハクじぃ…』


ハートを自分を責めるハクじぃを心配した。


そんなハクじぃの話の中、夜はどんどん更けていった。


『ねぇ、ハートとラッセル。まだ起きてる?』


寝床に着いたミーナが、隣で眠る2人に話しかけた。


『まだ、起きてます…』


ハートは横向きに寝ながら答えた。


『同じく…』


ラッセルは仰向けになって天井を見ながら答えた。


< 326 / 574 >

この作品をシェア

pagetop