ヴァンパイアヒューマン−桜−
★旅立ちの日★
あの残酷な日から3日あまりが過ぎる頃−
国民たちの頑張りもあり、王国は再建へと着々と進んでいた。
ミーナは毎日のように、王国の景色を一望できる丘に作られた、ヴァンパイアたちに殺された人々のお墓に祈りを捧げていた。
『ミーナ様、ここにおられましたか。ユンじぃが捜しておりましたよ』
ハートはそんなミーナに声をかけた。
しかし、ミーナは黙り込んだまま王国の景色を静かに見つめていた。
『ミーナ様?』
ハートは黙りこんだままのミーナの様子が気になり、ミーナに駆け寄った。
『ミーナ様、どうかなさいましたか?』
心配したハートはミーナの顔を覗き込んだ。
『う、ううん。何にもないわ』
ミーナは心配するハートを気遣い、笑顔を見せた。