ヴァンパイアヒューマン−桜−
『ユンじぃの所に行きましょう』
そう言って、ミーナはさっさと歩き出した。
『ミーナ様…』
ハートはそんな淋しそうなミーナの背中を見つめながらボソッと呟いた。
ミーナは王宮広場にいるユンじぃのもとへとやってきた。
ユンじぃ…王国の建設大臣。
『おお、ミーナ様捜しまたぞ。これからは少しずつですが王宮の修理も進めて行きたいと思います…』
ユンじぃがそう言い出すと、ミーナが静かに首を横に振った。
『いいえ、王宮の修理は1番最後にしてください。まずは国民たちに雨や風をしのげる家を一刻も早く建ててあげて』
ミーナは笑顔を見せながら言った。
『ミーナ様…。わかりました。ミーナ様がそうおっしゃるのであれば、そう致します』
ユンじぃは頭を軽く下げ、ミーナの言葉に笑顔で建設に戻った。