ヴァンパイアヒューマン−桜−
『ジャック貴様、一体…ガハッ!!』
ヴィルグロースは口から紫の血を吐いた。
『ジャック!?』
ミーナは戸惑いながらジャックを見つめた。
『俺が仕えるべき者はお前じゃない…俺が仕えるべき者はミーナ様だけだ…』
ジャックはそう言って、ヴィルグロースの身体を貫いている黒い長い剣を引き抜いた。
『貴様、まさか…裏切りか?』
ヴィルグロースは傷を抑え苦しみながら尋ねた。
『裏切り?裏切りも何も…俺は最初からずっとお前が油断するこの一瞬を狙っていたんだ』
ジャックは不敵な笑みを浮かべて言った。
『私に血を吸われ…操られていたのではないのか?ただのフリだったのか…』
ヴィルグロースは悔しそうだった。