ヴァンパイアヒューマン−桜−
『ジャック…』
ミーナは両手を力強く握りしめながら呟いた。
『ミーナ様…』
そんなミーナの姿を見たハートは胸が痛かった。
そして、そんなハートは決心を固めた。
『ミーナ様』
ハートは話し掛けながら、ミーナの手を優しく握った。
『えっ?』
ミーナは戸惑いながらハートの方を向いた。
『ミーナ様…私、決めました』
ハートはミーナの目を見つめながら笑顔を見せた。
『決めたって…何を?』
ミーナは戸惑いながら尋ねた。
『ミーナ様はあのヴァンパイアの事件以来、元気がありません。もちろん、王様を亡くしたから元気がないのは当たり前ですよね。でも、ミーナ様…今のあなたの心を不安にさせているのはジャックですよね!?』
ハートは優しくミーナに尋ねた。