ヴァンパイアヒューマン−桜−
『私の使命はミーナ様の事を…お守りする事…自分の勤めを全うして…死んでゆけるなんて…私は幸せ者ですね…ハァ…ハァ…』
ラッセルは苦しそうに息を切らした。
『な、何を言ってるのよラッセル!!ねぇ、ラッセル!!』
ミーナは涙を零しながら叫んだ。
すると、ラッセルは自らの手を必死に動かし、手探りでミーナを触ろうとした。
ミーナはそんなラッセルの手を掴み、自らの頬にそっとあてた。
『ラッセル…あなた目が…』
ミーナがそう言うとラッセルは優しく微笑んだ。
『はい、もう見えていません』
ラッセルがそう言うと、ミーナの涙がラッセルの手をつたった。