ヴァンパイアヒューマン−桜−
ラッセルが取り出した物は、戦いのさなかにチェーンの切れたペンダントだった。
『これ…』
ミーナはそのペンダントを受け取った。
『今日はハートの誕生日です。こんなものしか用意できませんでしたが…あいつに渡して置いて下さい。俺なんかに祝って貰っても、あいつは嬉しくはないでしょうけど…お願いします』
ラッセルは照れ臭そうな表情を見せた。
『ラッセル…あなた…』
ミーナはぽろぽろと涙を流しながらペンダントを握りしめた。
『ミーナ様に仕えて10年。私は今までどおりこれからも、ずっとずっとあなたのそばで、ミーナ様を守り続けます…』
そう言って、ラッセルは満面の笑みを浮かべた。