ヴァンパイアヒューマン−桜−
『おはよう』
ミーナは笑顔で挨拶を返した。
『えっ…!?』
そんな笑顔だったミーナの表情が一瞬、驚きへと変わった。
ふと見た王宮の門の所に、いつものように門番の仕事をこなすラッセルの姿があった。
『ラッ…セル…!?』
ミーナは驚きながらじっと見つめると、ラッセルはスッーと幻のように消えて行った。
『ずっとそばであたしを守ってくれるって…ホントなんだね』
ミーナは消えたラッセルの方を向いてニコッと笑った。
『お散歩ですか?ミーナ様』
門の上の方からふと声がした。
ミーナが門の上に目をやると、黒いハットを被ったクロードが足を組んで門に座っていた。