ヴァンパイアヒューマン−桜−
『ハート!!』
ミーナはハートに声をかけ歩み寄った。
するとハートはミーナに気付き、涙を拭うように腕で目を擦った。
『あ、ミーナ様』
ハートは無理矢理作ったような笑顔を見せた。
『ハート大丈夫?』
ミーナはハートを気にかけながらハートの横に腰を下ろしたた。
『大丈夫です…全然大丈夫…で…す…』
そう言ったハートの目から一滴の涙が零れ落ちた。
『ハート…』
ミーナは優しくハートのその涙を指で拭った。
『大丈夫なはずなのに…大丈夫だって必死に言い聞かせているのに…涙が…』
ハートは手に、ラッセルから誕生日プレゼントとして貰ったペンダントを握りしめ震えていた。