ヴァンパイアヒューマン−桜−
『ハート…』
ミーナは涙を流し、震えているハートを優しく抱きしめた。
『勝手に死んじゃうなんてズルイよ…あたしはまだペンダントお礼だって言えてないのに…勝手に死んじゃうなんて…ズルイよ!!』
ハートはわんわん泣きながら叫んだ。
ミーナは静かに頷きながら、ただハートを抱きしめた。
数分が過ぎる頃、落ち着いたハートは枯れた涙の跡を拭きながらぼんやりとペンダントを見つめた。
『ミーナ様。ラッセル…最後のラッセルはどうでした?』
ハートはペンダントを見つめながら尋ねた。
『ラッセルは…笑ってた。最後までラッセルは笑顔だった』
ミーナはあの時のラッセルを思い返した。