ヴァンパイアヒューマン−桜−


『でも、こんな時にあたしがいなくなったら国民たちが何て言うのか…』


ミーナは戸惑いながら告げた。


『心配はいりませんぞ、ミーナ様』


ミーナとハートの背後から突然、声が聞こえた。


二人が背後を振り向くと、ユンじぃと国民の数人が立っていた。


『ミーナ様、あなたはこの20年間王女として立派に生きて来られました。いつも笑顔で、元気で、優しくって…ミーナ様はワシたち国民にとっては太陽のようでした。しかし、そんなミーナ様も今は雲がかかったくすんだ太陽…そんなミーナ様はミーナ様ではありません。ミーナ様には笑顔が1番似合っております。悩んでいるミーナ様は見たくなどありません。だから、その悩みを取り除いて来て下さい。そしてまた笑顔いっぱいのミーナ様を見せてください』


ユンじぃはミーナの目を見つめて言った。


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