ヴァンパイアヒューマン−桜−


『さっさと帰れ!!』


バダックはそう言って、小屋の中へと引き上げようとした。


『助けたい方がいるんだ。ヴァンパイアの血を引く彼女を助けたいんだ!!』


ジャックは大声で言った。


その言葉を聞いたバダックは、足をピタッと止めた。


『ヴァンパイアの血を引く彼女…あの娘の事か?』


バダックはジャックに尋ねた。


『ミーナ様の事を知っているのか?』


『ああ…知っている』


バダックは静かに告げた。


『ミーナ様が…ミーナ様が倒れて…熱が下がらないんだ』


ジャックがそう言うと、バダックはジャックの方を振り向いた。



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