ヴァンパイアヒューマン−桜−


『ヴァンパイアの力を使った反動か…はたまたヴァンパイアの呪いか…』


バダックは考え込みながら告げた。


『ヴァンパイアの…呪い…』


ジャックは繰り返した。


『妖精の城に行って、ヴァンパイアの事を聞くつもりか?』


バダックがそう言うと、ジャックは深く頷いた。


『ふんっ!!行きたいのであれば行くがいい。だが、リリアが導かない限り妖精の城に続く光の階段は現れないがな…』


そう言って、バダックは小屋の中へと入っていた。


ジャックは湖の辺に座り込み、ただ妖精の城に続く光の階段が現れるのを待った。


しかし、光の階段はいっこうに現れずに夜が来て、そしてまた朝が来た。



< 405 / 574 >

この作品をシェア

pagetop