ヴァンパイアヒューマン−桜−
『リリアがお前を許してくれるといいな…』
バダックはそれだけ告げ、さっさと小屋の中へと引き上げて行った。
ジャックはバダックがくれたパンとスープをじっと見つめ、そして少し微笑みを浮かべて口にした。
するとそんな中、目の前に広がる湖に空から七色の光が差し込んだ。
そしてその光は階段へと姿を変えた。
『あっ!!』
ジャックはパンとスープをその場に置き、一目散に光の階段を駆け上がった。
『良かったな、小僧』
それを窓から見ていたバダックは優しい笑みを浮かべて光の階段の先を見つめた。
ジャックが光の階段を駆け上がった先には、緑溢れる妖精の城が姿を見せた。