ヴァンパイアヒューマン−桜−
『しかし結局ルナは、妖精を捨てヒューマンになったとは言え、空気の汚れたヒューマン界では生きられずに死んで行った…。ルナと恋に落ちたあなたの父親であるガルディニア王は、小さな貴方を捨て、別のヒューマンの女性と新たなスタートを切った。妖精界の掟を破り、追放された者のその子供でさえも、ここに来る事は本当は許されない事…』
リリアはそう冷たく言い放った。
ジャックはリリアの目を見ることが出来ず、うつむいていた。
『来る事は許されない事だけど…でも、私はあなたを導いてしまった。あなたのミーナに対する強い思いが、私の思いまでも動かしてしまった…。ジャック、顔をあげなさい!!』
リリアはうつむくジャックに告げた。