ヴァンパイアヒューマン−桜−
『ユンじぃ…』
ミーナはそんなユンじぃを見つめながら呟いた。
『自分の気持ちに素直に生きて下さいミーナ様。我々の心配はいりません。いつミーナ様が戻って来られても良いように、その時までには我々国民たちがこの王国を元通りにしておきますから』
ユンじぃはシワだらけのくしゃくしゃな笑顔を見せて言った。
『そうです。王国の事は我々に任せて下さい、ミーナ様』
ユンじぃの隣にいる男が賛同した。
そして、ユンじぃの周りにいる国民たち数人が次々と頷いた。
『みんな…』
ミーナはみんなのそんな姿を見て、目に涙を浮かべた。
『ハート。我々の大好きなミーナ様を必ず守ってくれ』
ユンじぃはそう言って、ハートの手をギュッと握りしめた。