ヴァンパイアヒューマン−桜−


ジャックはゆっくりと顔を上げた。


『あなたの思い、しかと受け止めました。いくら許せない者でも困っている者を放っておくことなんて、私にはできませんからね』


リリアはそう言って優しく笑った。


『リリア…さん…』


ジャックはリリアを見つめながら呟いた。


『貴方がここまで来た理由(ワケ)は知っています。ミーナの状態を知りたいんですよね?』


リリアがジャックにそう尋ねると、ジャックは静かに頷いた。


『彼女はヴァンパイアの力を使いすぎたのが原因です。ヴァンパイアは本来、血を吸って生きる者です。その血がヴァンパイアのパワーの源になる訳なので…』


リリアがそう言うと、ジャックはハッとした。



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