ヴァンパイアヒューマン−桜−
『悪かったな…。ミーナ様は?』
ジャックは心配そうに尋ねた。
『さっき、目を覚ましたけど…でもまだ熱が下がらずにしんどそうだった』
クロードがそう言うと、ジャックはクロードの肩をポンと軽く叩いて前を通りすぎた。
『ジャック!?』
クロードはジャックの様子がどこかおかしいと感じた。
ジャックは何かを考えながら、静かにミーナのいる部屋の扉を開けた。
『ジャ…ジャック…』
ミーナは息を切らしながらしんどそうに言った。
『ミーナ様、お目覚めになられて良かったです。本当に良かったです』
ジャックはそう言って膝まずき敬礼をした。