ヴァンパイアヒューマン−桜−


『そんな表情はしないで下さいミーナ様。あなたは何も変わりません。あなたは何も…』


ジャックはそう言って、悲しい表情を見せていたミーナを優しく抱きしめた。


『ジャック…』


そんなミーナの目からは涙が零れた。


『ミーナ様、このままの状態で聞いてほしい事があります…』


ジャックは抱きしめたままミーナに告げた。


『えっ?』


ミーナは疑問を浮かべた。


『ミーナ様、今のミーナ様はヴァンパイアの力を使いすぎて、体が弱っています。本来、ヴァンパイアは血を吸ってその力を回復し、生き続けます。ミーナ様、ヴァンパイアヒューマンであるあなたもこれは同じ事です』


ジャックの言葉をミーナはただ真剣に聞いた。



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