ヴァンパイアヒューマン−桜−
★霧刻の谷に向けて★
『うん…』
翌朝、ミーナは目を覚ました。
『おはようございます、ミーナ様』
目を覚ましたミーナの部屋に、そっとジャックが入って来た。
『失礼します』
ジャックは自らの手を、ミーナの額にそっと当てた。
『まだ少し熱はありますね…大丈夫ですか?』
ジャックが心配そうに尋ねると、ミーナは静かに頷いた。
『ミーナ様、もう一度ご確認します。ミーナ様…ヴィルグロースの所へ行きますか?』
ジャックはミーナの体調を考え、心配しながら尋ねた。
『うん…あたしが、あたしがヴィルグロースを止めなきゃならないから…』
ミーナは覚悟を決めていた。