ヴァンパイアヒューマン−桜−
『アンタの息子が会いに来たって言葉…』
ミーナは恐る恐る尋ねた。
そのミーナの言葉に、ジャックは沈黙で答えた。
『ジャック!?』
黙り込むジャックをミーナは心配した。
『ガルディニア王は…私の血の繋がった唯一の肉親であり、父親です』
ジャックがそう告げると、ミーナとクロードは目を丸くして驚いた。
『ほ、本当なの?』
ミーナのその言葉にジャックは深く頷いた。
『私は幼い頃、母を亡くし父親であるガルディニア王に捨てられ、バロンに拾われたのです。血の繋がりだけで言えば、ガルディニア王が私の父親になりますが…私は父親とは思っていません。私の父はバロンだけですから』
ジャックはそう言って優しく微笑みを零し、さっさとガルディニア城の中を歩き出した。