ヴァンパイアヒューマン−桜−


『リュート様はヴァンパイアの力を手に入れて、ミーナ様を…ミーナ様を振り向かせたいとおっしゃっておりました…』


ナズナはそう言って悲しげに俯いた。


『ヴァンパイアの力を手にいれるって…』


ミーナは戸惑いを浮かべた。


『何をバカな事を…』


クロードは呆れた。


『ミーナ様、お願いです。私もヴァンパイアの所へ…』


ナズナは必死に頼み込んだ。


するとミーナは、優しくナズナの肩に手をやった。


『ナズナさん。ナズナさんの気持ちはよくわかったわ。でもあなたをヴァンパイアの所へ連れていく訳にはいかないわ』


ミーナは優しく告げた。


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