ヴァンパイアヒューマン−桜−
『お父様…あたし…行って参ります。ジャックのもとに…あたしの事見守っていて下さい、お願いします』
ミーナは両手をあわせて拝んだ。
そしてミーナは肌寒い風に、長い金髪を靡かされながらハートの待つ王国の入口へと向かった。
『ミーナ様、準備はできたみたいですね』
王国の入口で待っていたハートが、ミーナに声をかけた。
『ええ…』
ミーナはそう言って、別れを惜しむように振り返り王国を見つめた。
『行きましょうか、ハート』
ミーナはそう言って歩き出した。
すると王国を出たちょっと先で、ラッセルが二人を待っていた。
『ミーナ様、俺もミーナ様のお供をいたします。ジャックは俺のよきライバルです。だからジャックは必ず俺も連れ戻したいんです。俺も一緒にお供させてください』
ラッセルはミーナに頭を下げた。