ヴァンパイアヒューマン−桜−


『お父様…あたし…行って参ります。ジャックのもとに…あたしの事見守っていて下さい、お願いします』


ミーナは両手をあわせて拝んだ。


そしてミーナは肌寒い風に、長い金髪を靡かされながらハートの待つ王国の入口へと向かった。


『ミーナ様、準備はできたみたいですね』


王国の入口で待っていたハートが、ミーナに声をかけた。


『ええ…』


ミーナはそう言って、別れを惜しむように振り返り王国を見つめた。


『行きましょうか、ハート』


ミーナはそう言って歩き出した。


すると王国を出たちょっと先で、ラッセルが二人を待っていた。


『ミーナ様、俺もミーナ様のお供をいたします。ジャックは俺のよきライバルです。だからジャックは必ず俺も連れ戻したいんです。俺も一緒にお供させてください』


ラッセルはミーナに頭を下げた。



< 43 / 574 >

この作品をシェア

pagetop