ヴァンパイアヒューマン−桜−
『お前たちに許可証を渡す事は出来ない…』
ガルディニア王はそう言って、ミーナたちに背を向けるように寝転んだ。
『ど、どうしてですか?お願いします』
ミーナはガルディニア王に頭を下げた。
『何度頼まれても無理なものは無理だ。今やガルディニア王の権利は全て息子のリュートに委ねてある。だから、ワシはもうガルディニア王でも何でもない…ゴホッ、ゴホッ…』
ガルディニア王はそう言って咳をした。
『でもそのリュートは霧刻の谷に向かったらしくて、リュートに頼むにも頼めないんです!!』
ミーナはガルディニア王に事情を話した。