ヴァンパイアヒューマン−桜−


『お前たちに許可証を渡す事は出来ない…』


ガルディニア王はそう言って、ミーナたちに背を向けるように寝転んだ。


『ど、どうしてですか?お願いします』


ミーナはガルディニア王に頭を下げた。


『何度頼まれても無理なものは無理だ。今やガルディニア王の権利は全て息子のリュートに委ねてある。だから、ワシはもうガルディニア王でも何でもない…ゴホッ、ゴホッ…』


ガルディニア王はそう言って咳をした。


『でもそのリュートは霧刻の谷に向かったらしくて、リュートに頼むにも頼めないんです!!』


ミーナはガルディニア王に事情を話した。


< 432 / 574 >

この作品をシェア

pagetop