ヴァンパイアヒューマン−桜−


『ジャ…ジャックなのか…?』


ガルディニア王は驚きながら尋ねた。


『ああ…。アンタとルナの間に生まれたジャックです…』


ジャックはガルディニア王を睨みながらそう呟いた。


『まさか…お前にもう一度会えるなんてな…これは神のイタズラか…』


ガルディニア王はそう言って複雑な表情を見せた。


『あんたの捨てた息子のからもお願いする。頼む、霧刻の谷への許可証をお願いします』


ジャックは唇を噛み締めながら、自分を捨てた父に頭を下げた。


『ジャック…』


そのジャックの姿にミーナは胸が痛かった。


ガルディニア王は頭を下げるジャックを黙ってじっと見つめた。



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