ヴァンパイアヒューマン−桜−
★霞み行く季節を背にして★
その頃、ガルディニア城を出たミーナたちは足速に霧刻の谷へと足を運んだ。
そして山々が高く聳える霧刻の谷へとたどり着いた。
『ここが霧刻の谷か…』
クロードは霧刻の谷をじっと見つめた。
『おい、お前ら!!許可証なきものはここを通せないぞ』
3人の姿を見た霧刻の谷の兵士が歩み寄って来た。
『許可証はないがこれでどうだ?』
ジャックは自らの小指にはめた指輪を、霧刻の谷の兵士に見せた。
『そ、その指輪は!!王家の者でしたか…どうぞお通り下さい。霧刻の谷の中は危険ですので気をつけて下さい』
霧刻の谷の兵士はすんなりと3人を通した。