ヴァンパイアヒューマン−桜−


3人は深い霧の中、ゆっくりと先へと歩んだ。


『ハァ…ハァ…』


重く纏わり付く霧が、ミーナの体力を奪ってゆく。


『大丈夫ですか?ミーナ様…』


ジャックは息を切らすミーナを心配した。


『うん…大丈夫…』


ミーナは体中に纏わり付く霧と、ヴァンパイアの呪いによる熱で体力の減りが早かった。


『俺達でこんなにキツいんだもん。ミーナ様は相当こたえるよな…』


クロードはそう言って汗を拭った。


『ん?』


ジャックは突然ふと辺りをキョロキョロ見回した。


『ジャック?どうした?』


クロードは難しい表情を見せるジャックに尋ねた。


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