ヴァンパイアヒューマン−桜−
『声が聞こえた…』
ジャックは真っ白な霧の中で耳を澄ました。
『声?』
クロードも耳を澄ました。
『ルンルン♪ルンルン♪』
真っ白な霧の中から鼻唄が聞こえて来た。
『本当だ。声がする…』
クロードも声に気付いた。
『こ、この鼻唄は…どこかで…』
ミーナはその鼻唄に聞き覚えがあった。
『声…近いな。行ってみましょう、ミーナ様』
ジャックはミーナを支えながら声のする方へと、真っ白な霧の中を進んでいった。
声が近づくにつれ、不思議と真っ白な霧が薄くなっていき、次第に晴れていった。