ヴァンパイアヒューマン−桜−
『静かだ…川のせせらぎしか聞こえない…』
ジャックは耳を澄まして言った。
『人っ子一人いないなんて…ずいぶん昔にこの街は滅んだんだな、きっと』
ジャックはそう言って、川に近寄り手をそっとつけた。
『ジャック?』
ミーナはジャックに歩み寄った。
『冷たく透き通った綺麗な水だ…』
ジャックは川の水を手ですくい口に運んだ。
『ふぅ〜…自然っていいな』
水を飲んだジャックはそう言って微笑んだ。
『この村はどうして滅んでしまったのかしら?』
ミーナは難しい表情を浮かべて考え込んだ。