ヴァンパイアヒューマン−桜−
クロードは日記をパタンと閉じ、静かに本棚に戻し、黒いハットを深く被り直した。
『滅びる運命だなんて…』
ミーナはそう言って、悲しげにうつむいた。
『くそっ!!』
ジャックは壁を右手の拳で殴った。
そして3人はただ何かを考え込むように黙り込んでいた。
その3人のもとに、春風が入り口から入り、ひとひらの桜の花びら運び込んだ。
ミーナはそのひとひらの桜の花びらを拾いあげた。
『桜…ピース桜…』
ミーナは桜の花びらを握りしめ、民家を飛び出し村の中央へと駆けた。
村の中央には雄大に咲く桜がたなびいていた。