ヴァンパイアヒューマン−桜−


『くっ…かばっ…!!』


ジャックはよろめきながら立ち上がった。


『ろっ…肋骨の2、3本折れちゃってるな…』


ジャックは肋骨の部分を手でそっと押さえた。


『リュート…はぁ、はぁ…』


ジャックは瓦礫に埋もれているリュートの方を見て、そっと呟いた。


『確かに殺す気のあるものと殺す気のないものだと、前者のが強いだろう…。けど、俺は殺すために戦うんじゃない。ミーナ様がいるから、ミーナ様をお守りするのが俺の使命だから…殺すとか関係ない。ミーナ様のために負けないために戦うんだ』


そう言って、ジャックはよろめきながら歩き出した。


『急ごう…はぁ、はぁ』


ジャックはミーナの後を追いかけた。



< 499 / 574 >

この作品をシェア

pagetop