ヴァンパイアヒューマン−桜−
『くっ…かばっ…!!』
ジャックはよろめきながら立ち上がった。
『ろっ…肋骨の2、3本折れちゃってるな…』
ジャックは肋骨の部分を手でそっと押さえた。
『リュート…はぁ、はぁ…』
ジャックは瓦礫に埋もれているリュートの方を見て、そっと呟いた。
『確かに殺す気のあるものと殺す気のないものだと、前者のが強いだろう…。けど、俺は殺すために戦うんじゃない。ミーナ様がいるから、ミーナ様をお守りするのが俺の使命だから…殺すとか関係ない。ミーナ様のために負けないために戦うんだ』
そう言って、ジャックはよろめきながら歩き出した。
『急ごう…はぁ、はぁ』
ジャックはミーナの後を追いかけた。