ヴァンパイアヒューマン−桜−


『ああ、必ず守る…必ず俺が守る…必ず…』


ウィルは自分に言い聞かせるように強く言った。


『ありがとう、ウィル』


白いドレスの女性は照れ臭い感じで笑顔を見せた。


幸せそうなそんな二人を包み込むように、花びらたちが風に舞っていた。





『ミーナ様…ミーナ様!!』


ミーナを呼ぶその声から、ミーナはふと夢から覚めた。


『ミーナ様!!』


声に反応したミーナが目を開けると、ハートが顔を覗きこんでいた。


『ハート…』


ミーナは目を擦りながら、ベッドから上半身を起こした。


『おはようございます、ミーナ様。夜が明けました。早速、ハクじぃのもとへと行きましょう』


ハートがそう言うと、ミーナはベッドから出て、窓から空に浮かぶ太陽を見つめた。



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