ヴァンパイアヒューマン−桜−
★運命の時★
その頃、ミーナは一人でヴィルグロースのいる黒闇の城の奥へと急いでいた。
『はぁ、はぁ…もうすぐで王間につくはず…』
ミーナは息を切らしながら真っ暗な廊下を走っていた。
走り続けたミーナの目の前に、大きな扉が姿を現した。
ミーナは立ち止まり、ひと呼吸ついて扉を開いた。
大きな高音をたてて開いた扉の向こうには、背をむけたまま立っているヴィルグロースの姿があった。
ミーナはゆっくりとヴィルグロースに近づいた。
『よくここまで来ましたね…』
ヴィルグロースは背をむけたまま、ミーナに話しかけた。
『ヴィルグロース…』
ミーナはそんなヴィルグロースの背中を見つめた。