ヴァンパイアヒューマン−桜−


『それが間違っているわ。あなたの心にいるサラさんは、今笑ってる?』


ミーナはそう言って強く尋ねた。


『笑って…はいない。しかし、きっとヒューマンを根絶やしにした時こそ、サラは笑ってくれるはずです。そう信じているから、私は…私は…』


ヴィルグロースはそう言いかけながら、黒いオーラに包まれ始めた。


『あなたを止めようと決めたあの日から、あたしの中にいるサラさんは笑ってる。だから、あたしがあなたを止めてみせる』


ミーナはそう言って、黒いオーラに包まれた。


ミーナとヴィルグロース…二人の体から発っせられる黒いオーラが、天井高くへと立ち上った。




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