ヴァンパイアヒューマン−桜−
『ハクじぃ!!ハクじぃ!!』
ミーナは名前を必死に呼びながら、壊れた家の中をくまなく捜し回った。
そして、ミーナがリビングにたどり着くと、傾いて吊されていたシャンデリアがミーナを目掛けて落ちてきた。
ミーナは落ちて来るシャンデリアに気付いたが、気付くのが遅かった。
『きゃあ!!』
ミーナは悲鳴をあげ目を閉じた。
ガシャーン!!
シャンデリアの割れる音がリビング中に響き渡り、しばらくしてミーナは目を開けた。
『ラ、ラッセル!!』
するとミーナをかばうかのように、ラッセルがシャンデリアを自分の大きな背中で受け止めていた。
『ん…んぐ…ぐわぁぁ!!』
ラッセルは気合いを入れ、自分の背中に乗っかっているシャンデリアを振り払ってどかした。