ヴァンパイアヒューマン−桜−
『な、何をする…!?』
ヴィルグロースが戸惑っている間に、黒いオーラは全てルシファーが吸い付くした。
『くっ…』
ヴィルグロースはよろめきながら、その場に膝をついた。
もうヴィルグロースの目は黒くなり、牙はなくなりヒューマンであるウィルに戻っていた。
その一瞬の出来事にミーナたちは自分の目を疑った。
そしてルシファーはゆっくりとミーナたちの元へ歩み寄った。
『ミーナ…』
ルシファーは片膝を床につき、ミーナにそっと手をかざした。
『悪かったなミーナ。娘が…サラが君に呪いを与えてしまって。ヴァンパイアヒューマンである事で、さんざん苦しんだし、辛かっただろう。すまなかったな』
そう言って、ルシファーはミーナの体中を包み込む黒いオーラを吸い取った。