ヴァンパイアヒューマン−桜−


ルシファーの手に黒いオーラが集まり、そしてミーナからヴァンパイアの呪いが消え去った。


『これでもう大丈夫だ』


ルシファーがそう告げると、呪いの解けたミーナの体は軽くなり、ずっと続いていた熱も下がった。


『娘に…サラには会うことは出来なかったけど、ミーナに会えて良かった。時折、ミーナにサラを重ね合わせて見ていた事はすまなかったがな…』


そう言って、ルシファーは優しく笑いかけた。


『ルシファー…』


ミーナはそう呟きルシファーに触れようとした瞬間、ミーナの手はルシファーの体をすりぬけ、触れることは出来なかった。


『えっ…!?』


ミーナは戸惑いを浮かべた。



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