ヴァンパイアヒューマン−桜−


『少なくともミーナやジャック、そして私が今まで出会ってきたヒューマンたちはみんな、他人の不幸を悲しむ事が出来るあたたかい心の持ち主だった。そして幸せそうに暮らすそんなみんなの幸せを…自分勝手な思いで奪うなんてしちゃいけないんだ。奪った幸せの上には幸せなんてないんだから…』


ルシファーのその言葉が、ウィルの涙腺を緩めた。


『ウィル…君だって本当は苦しかっただろう…本当は辛かっただろう…。自らの憎悪に心を支配されたフリをして、ヒューマンを傷つける事が…。私の娘が、サラが好きになった君の事だ…本当は凄く優しい君であったのに違いないのだから…』


ルシファーのその優しい言葉が、ウィルの心に突き刺さりウィルは泣き崩れた。



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