ヴァンパイアヒューマン−桜−


『それは愛だ!!』


ジャックは大声で叫んだ。


『ジャ、ジャック…』


ジャックの言葉にミーナは驚き、胸が切なくなった。


『ふん。お前は王宮の剣士、失格だなぁ。王宮の剣士のくせにはっきりと忠誠心より愛だなんて答えるなんて…。かたやグラバドールの王女、かたや親に捨てられた野良犬のようなイチ剣士…身分違いにもほどがあるよ』


リュートはそう言って嘲笑った。


『くっ…』


ジャックは悔しそうに唇を噛み締めた。


『グラバドールの王女のミーナとガルディニア王のこの俺…釣り合いが取れてるだろ?なあ、ミーナ』


リュートはそう言って、不敵な笑みを浮かべた。


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