ヴァンパイアヒューマン−桜−
衝撃波をくらったウィルは壁に激突した。
『フハハハ。もはや今、俺が最強なんだ』
リュートはそう言った後、目線をミーナの方へとかえた。
そして、涙を流すミーナの方へゆっくりとリュートは足を進めた。
『どうして泣いているんだ?そんなに俺と一緒になるのが嫌なのか?』
リュートが尋ねたが、ミーナは涙を流す一方だった。
そんなミーナを見つめたまま、リュートはしばらく無言だった。
『わかった…現実世界で俺と一緒になるのが嫌なら…二人であの世で一緒になろう、ミーナ』
リュートはそう言って、白銀の剣をミーナに向けて翳した。