ヴァンパイアヒューマン−桜−


『ウィル!!』


ジャックは叫んだ。


『うるさい!!』


リュートは長剣を振り払い、真空刃をジャックにぶつけた。


『はぁ、はぁ…さあ、一緒にあの世へ行こう!!』


リュートは剣を高らかに振り上げ、ミーナに向けて切り掛かった。


もう今度こそはダメかと思い、ミーナは歯を食いしばって目を閉じた。


『な、何だ…か、体が…』


そのリュートの声にミーナは目を開けた。


ミーナが見つめるその先のリュートは、剣を高らかに掲げたまま体が硬直し始めていた。


『か、体が…動かな…い』


リュートはにぎりしめていた剣を床に落とした。


< 543 / 574 >

この作品をシェア

pagetop