ヴァンパイアヒューマン−桜−
『ウィル!!』
ジャックは叫んだ。
『うるさい!!』
リュートは長剣を振り払い、真空刃をジャックにぶつけた。
『はぁ、はぁ…さあ、一緒にあの世へ行こう!!』
リュートは剣を高らかに振り上げ、ミーナに向けて切り掛かった。
もう今度こそはダメかと思い、ミーナは歯を食いしばって目を閉じた。
『な、何だ…か、体が…』
そのリュートの声にミーナは目を開けた。
ミーナが見つめるその先のリュートは、剣を高らかに掲げたまま体が硬直し始めていた。
『か、体が…動かな…い』
リュートはにぎりしめていた剣を床に落とした。