ヴァンパイアヒューマン−桜−
★輝く太陽に…★
『ウィルさん…』
ミーナの目から一滴の涙が零れた。
『ミーナ様…』
ジャックはそんなミーナの涙を指で拭った。
『どうして…どうしてなのかな!?あたしのパパを殺し、グラバドールを滅ぼし、ヒューマンたちをたくさん殺したヴァンパイアだったのに…なのに、どうしてなのかな?どうして涙が零れるのかな…憎かったのに…許せなかったのに…どうして涙が…』
ミーナはそう言って、涙を零しながら悔しそうに唇を噛んだ。
すると、そんなミーナの頭をジャックが撫でた。
『どうしてなのかは…わかりません。でも憎んでても、許せなかったっても…涙が出るのは、それが心の本音だからでしょうね』
ジャックは優しく告げた。