ヴァンパイアヒューマン−桜−


『うん…クロードの…ううん、ルシファーの黒いハット…』


ミーナはそう言って、黒いハットをお墓にそっと被せた。


『おやすみ、ルシファー』


ミーナはそう言って、目を閉じ静かにお墓に手を合わせて拝んだ。


ジャックも目を閉じ、静かに黙祷を捧げた。


そしてミーナたちは月闇の村の中央にたつ、ピース桜へと足を進めた。


『桜が…ピース桜が光ってる…』


ミーナが見つめるその先には、深い夜空の下でピース桜がボヤーッと光を放っていた。


そしてピース桜が風に靡いたのかザワザワと揺れた。


『みんなの…ヴァンパイアたちの思いがこの桜の木に詰まってる…』


ミーナはピース桜を見つめながら呟いた。


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