ヴァンパイアヒューマン−桜−
『男同士の約束か…何だかいいわね。ハイ、おしまい』
ハートは笑顔を見せながらそう告げ、ラッセルの手当てを終えた。
すると、調度ミーナが宿屋へと戻って来た。
『あ、ミーナ様。おかえりなさいませ。何かわかりましたか?』
ハートは治療箱を片付けながら尋ねた。
『ハート…ラッセル…』
ミーナは青ざめた顔色をしていた。
『ミーナ様?どうかなされましたか?』
ラッセルはそんなミーナを気にかけた。
『村の人々が…村の人々が…誰一人としていないの…』
そう告げるミーナは、力が抜けるように床にしゃがみ込んだ。
『えっ…そんな…まさか…』
ハートはミーナの言葉を聞き驚いた。