ヴァンパイアヒューマン−桜−
『そう言えば…昨夜から宿屋の主人も見ていないし、ハクじぃの家からの行き帰りの時も誰ひとりとして見てない気がする…』
ラッセルは目を大きく見開きながら告げた。
『昨夜は村人がいたのに…みんな一体どこに行ったの…』
ミーナは信じられない様子のまま呆然としていた。
『一体何があったのかな!?』
ハートは考え込んだ。
『ハクじぃ…』
ミーナはうつむき呟いた。
『ミーナ様、行きましょう。ここで立ち止まっていたって先には進めません。ハクじぃや村の人々の事はわかりませんが、今は一刻も早くこの村を出て、ジャックを追いかけましょう』
ラッセルは勢いよく立ち上がってミーナに告げた。