ヴァンパイアヒューマン−桜−
★ちいさな盗賊★
ラルムブリッジを出た3人が街道を歩き続けると、やがてまた夜を迎えようとしていた。
『ふぅー、もうすっかり日が暮れてしまいましたね』
ラッセルは前を歩くミーナとハートに話かけた。
『まだ次の村や街が見えてこないわね…今日はもうここで休みましょうか?』
ミーナはそう言って、街道のはずれにある大きな岩に腰掛けた。
『いや、しかしミーナ様を野宿させるわけには行きませんよ』
ラッセルは困った顔をした。
『大丈夫よ。あたし一度でいいから野宿してみたかったしさ。ハートも野宿は平気よね?』
ミーナがそう尋ねると、ハートは荷物を地面に下ろした。
『全然大丈夫ですよ』
ハートはそう言って笑った。